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橋立 竜太; 矢田 浩基; 高屋 茂; 江沼 康弘
保全学, 23(1), p.103 - 111, 2024/04
本報では次世代高速炉の合理的な設計に向け、保全の観点から設計上の課題を抽出する手法を提案する。提案手法では、設計情報を整理することで点検実施条件を抽出し、抽出した点検実施条件を基に点検工程を作成することで、目標とする定期点検期間を達成可能な設計である評価する。達成できない場合、点検実施条件の観点から設計上課題を抽出する。提案手法の適用例として、もんじゅの設計を参考に、設計上課題を抽出し、課題に対する対策を検討した結果を示す。
内堀 昭寛; 堂田 哲広; 青柳 光裕; 曽根原 正晃; 曽我部 丞司; 岡野 靖; 高田 孝*; 田中 正暁; 江沼 康弘; 若井 隆純; et al.
Nuclear Engineering and Design, 413, p.112492_1 - 112492_10, 2023/11
被引用回数:1 パーセンタイル:68.31(Nuclear Science & Technology)ナトリウム冷却高速炉に代表される革新炉に対し、安全性評価やそれに基づく設計最適化を自動で行うARKADIAを開発している。通常運転もしくは設計基準事象の範囲で設計最適化を行うARKADIA-Designについては、核特性-熱流動-炉心変形のマルチレベル連成解析手法等を中心技術として開発し、その基本的機能を確認した。シビアアクシデントまで含む範囲で安全性評価を行うARKADIA-Safetyの基盤技術として、炉内/炉外事象一貫解析手法の整備を進め、仮想的なシビアアクシデント事象を解析することで基本的機能を確認した。また、炉外事象に対する解析モデルの高度化、設計最適解の探索工程を合理化するAI技術の開発に着手した。
杉田 萌; 高柳 智弘; 植野 智晶*; 小野 礼人; 堀野 光喜*; 金正 倫計; 小栗 英知; 山本 風海
Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.519 - 522, 2023/11
J-PARC RCSでは、ペイント入射のビーム軌道偏向にペイントバンプ電磁石を用いている。ペイントバンプ電磁石用の電源は、IGBT制御のチョッパ回路で構成され、指令電流と指令電圧のパターンにより、ビーム軌道を時間変化させる出力電流波形(ペイントパターン)を作成することができる。ビーム軌道の制御精度は、指令電流と出力電流の波形の形状差(出力電流偏差)で決まる。現在のペイントパターン調整では、電源制御の応答関数に応じてパターンを調整するソフトを用いたうえで手動調整を行い、要求精度を達成している。しかし、この調整に1時間程度を要しており、更なる調整時間の短縮を行いたい。また、より最適な調整方法によりビームロスの低減を実現するために、従来の要求より10倍精密な出力電流偏差を実現したい。高精度なペイントパターンの作成には、負荷側のインピーダンスの解析モデルが必要になるが、時間変化する非線形のペイントパターンにおいてはインピーダンスが変化するため、解析モデルの構築は非常に困難である。機械学習では、負荷の解析モデルを構築せずとも学習によって非線形な応答を高速かつ高精度で得ることが可能である。機械学習を用いて台形波の出力パターン調整を行ったところ、学習を重ねることで立ち上り直後のリンギングを抑制した出力パターンの作成に成功した。本発表ではシステムの現状と今後の展望について報告する。
堂田 哲広; 中峯 由彰*; 桑垣 一紀; 浜瀬 枝里菜; 菊地 紀宏; 吉村 一夫; 松下 健太郎; 田中 正暁
計算工学講演会論文集(CD-ROM), 28, 5 Pages, 2023/05
高速炉を含む革新炉のライフサイクルを自動的に最適化する「AI支援型革新炉ライフサイクル最適化手法(ARKADIA)」の開発の一環として、高速炉の概念設計段階の最適化をサポートするARKADIA-Designを開発している。ARKADIA-Designは、3つのシステム(仮想プラントライフシステム(VLS)、評価支援・応用システム(EAS)、知識管理システム(KMS))で構成され、設計最適化フレームワークが各システムのインターフェースを通じて3つのシステム間の連携を制御する。本稿では、VLSによるプラント挙動解析とEASによる最適化検討を組み合わせた設計最適化解析を実行する「最適化解析制御機能」の開発について報告する。
菊地 紀宏; 森 健郎; 岡島 智史; 田中 正暁; 宮崎 真之
Proceedings of 30th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE30) (Internet), 8 Pages, 2023/05
原子力機構ではAI支援型革新炉ライフサイクル最適化手法(ARKADIA)を開発している。その一部として、ナトリウム冷却高速炉(SFR)を含む先進原子炉プラントでの設計最適化プロセスを支援するツール(ARKADIA-Design)の整備を進めている。われわれはSFRの機器構造の設計最適化プロセスの構築を行っている。本論文では、設計最適化プロセスの概要、プロセスにおける評価手法の概要紹介、実現可能性の検討のために実施した最適化プロセスのデモンストレーションの結果について示す。原子炉構造の設計最適化において、SFRの代表的な課題として熱過渡と地震動を考慮した代表例題に基づき、最適化プロセスの開発を行っている。本最適化プロセスでは、異なるメカニズムによる破損に対する荷重の寄与率を比べるため、最適化の目的関数の要素として破損確率を用いた。デモンストレーションを通じて、開発中の最適化プロセスが代表例題に対して最適解を提示する見通しを得た。
大島 宏之; 浅山 泰; 古川 智弘; 田中 正暁; 内堀 昭寛; 高田 孝; 関 暁之; 江沼 康弘
Journal of Nuclear Engineering and Radiation Science, 9(2), p.025001_1 - 025001_12, 2023/04
本論文は、安全性や経済性に関する要求、カーボンフリーエネルギー源としての要求に適合する革新的原子炉の設計を創出するためのARKADIAについて、概要及び開発計画をまとめたものである。ARKADIAは、安全設備を含めたプラント設計及び運転を最適化するための、人工知能(AI)を活用した数値解析を実現する。最先端の数値解析技術と、過去の研究開発プロジェクトで得たデータや知見を格納した知識ベースを、AIと融合させるシステムである。開発の第一フェーズでは、ナトリウム冷却高速炉を対象としてARKADIA-DesignとARKADIA-Safetyを個別に開発する。続く第二フェーズでは、既存の軽水炉に加え、コンセプト,冷却材,構造,出力の異なる多様な革新炉に適用可能な一つのシステムに統合する計画である。
内堀 昭寛; 曽我部 丞司; 岡野 靖; 高田 孝*; 堂田 哲広; 田中 正暁; 江沼 康弘; 若井 隆純; 浅山 泰; 大島 宏之
Proceedings of Technical Meeting on State-of-the-art Thermal Hydraulics of Fast Reactors (Internet), 10 Pages, 2022/09
ナトリウム冷却高速炉に代表される革新炉に対し、安全性評価やそれに基づく設計最適化を自動に行うARKADIAを開発している。通常運転もしくは設計基準事象の範囲で設計最適化を行うARKADIA-Designについては、核特性-熱流動-炉心変形の連成解析手法等を中心技術として開発し、その基本的機能を確認した。シビアアクシデントまでの範囲で安全性評価を行うARKADIA-Safetyの基盤技術として、炉内/炉外事象一貫解析手法の整備を進め、仮想的なシビアアクシデント事象を解析することで基本的機能を確認した。
菊地 紀宏; 森 健郎; 岡島 智史; 田中 正暁; 宮崎 真之
第26回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集(インターネット), 5 Pages, 2022/07
原子力機構では、ナトリウム冷却高速炉における熱過渡荷重と地震荷重に対する原子炉容器胴部の板厚の最適解を得るためのプロセスを代表例題として設定し、炉構造設計最適化手法を整備している。熱過渡荷重に対する原子炉容器の耐性は、ナトリウム冷却高速炉の構造健全性に関する安全性評価の重要な要因のひとつである。地震による機械荷重のような異なる破損メカニズムに対して共通した尺度となるように、熱過渡に対する機器の破損確率を、目的関数の要素を構成する変数の1つとして、設定した。設定した熱過渡荷重による破損確率の評価に用いる熱過渡荷重分布を求めるために、プラント動特性解析コードによるパラメーター解析を実施する。最適解を得るためには、設計変数の条件を変更して、相当回数のパラメーター解析を実施する必要がある。設計検討において、最適化に要する時間を短縮する必要があることから、まずは、時間のかかるこのパラメーター解析の自動化方法を検討し、最適化プロセスに実装した。
田中 正暁; 堂田 哲広; 横山 賢治; 森 健郎; 岡島 智史; 橋立 竜太; 矢田 浩基; 大木 繁夫; 宮崎 真之; 高屋 茂
第26回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集(インターネット), 5 Pages, 2022/07
原子力イノベーションにおいて民間で実施される多様な炉システムの概念検討への支援を目的とし、既往知見を最大限活用した設計最適化や安全評価を実現するAI支援型革新炉ライフサイクル最適化手法「ARKADIA」の開発を開始した。その一部として、設計基準事象までを対象に開発している「ARKADIA-Design」によって実現する、炉心及び炉構造分野での設計検討、並びに保守・保全計画立案に関わる最適化プロセスの具体化検討について報告する。
小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 長谷川 雄太; 下川辺 隆史*; 青木 尊之*
計算工学講演会論文集(CD-ROM), 27, 4 Pages, 2022/06
我々の研究グループでは、風況デジタルツインの実現に向けて、風況解析コードCityLBMを開発している。CityLBMは、計算領域周辺の境界条件をメソスケール気象データに同化させるナッジング法を導入することで、現実の風況を反映した解析が可能である。しかしながら、従来のナッジング法では、ナッジング係数が一定のため、大気状態が変化するような長時間解析の乱流強度を再現できない問題点が挙げられる。そこで、本研究では、パーティクルフィルタを用いた動的なナッジング・パラメータの最適化手法を提案する。CityLBMの検証として、米国オクラホマシティの風況実験に対する解析を実施した。シミュレーションと観測のそれぞれで得られる乱流強度の誤差を低減するようにナッジング係数を更新した結果、シミュレーションにおいて終日の大気境界層を再現できることを確認した。
堂田 哲広; 中峯 由彰*; 井川 健一*; 岩崎 隆*; 村上 諭*; 田中 正暁
計算工学講演会論文集(CD-ROM), 27, 6 Pages, 2022/06
高速炉を含む革新炉のライフサイクルを自動的に最適化する「AI支援型革新炉ライフサイクル最適化手法(ARKADIA)」の開発の一環として、高速炉の概念設計段階の最適化をサポートするARKADIA-Designを開発している。ARKADIA-Designは、3つのシステム(仮想プラントライフシステム(VLS),評価支援・応用システム(EAS),知識管理システム(KMS))で構成され、設計最適化フレームワークが各システムのインターフェースを通じて3つのシステム間の連携を制御する。本稿では、VLSの解析コードを連成する制御機能を備える「VLSインターフェース」の開発状況について報告する。
田中 正暁; 堂田 哲広; 森 健郎; 横山 賢治; 上羽 智之; 岡島 智史; 松下 健太郎; 橋立 竜太; 矢田 浩基
Proceedings of 19th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-19) (Internet), 16 Pages, 2022/03
日本原子力研究開発機構では、ARKADIAと呼ぶ原子炉の革新的な設計システムの開発を進めている。ARKADIAは、安全性かつ経済性を高め、脱炭素エネルギー源となる革新的原子炉の設計を実現するものである。最初の開発段階として、設計検討のためのARKADIA-Designと、安全性評価のためのARKADIA-Safetyを開発する。本報告では、ARKADIA-Designに焦点を当て、システムの概念と、マルチレベル解析及びマルチフィジックス解析を実施するための数値解析コードについて説明する。また、解析コードを組み合わせて構築する機能及び妥当性確認としての対象問題についても言及する。
橋立 竜太; 豊田 晃大; 高橋 慧多; 矢田 浩基; 高屋 茂
保全学, 19(4), p.115 - 122, 2021/01
原子力発電所の安全性と経済性を両立させるためには、発電所の特性に基づく合理的な保全を実現させる必要がある。一方で高速増殖原型炉「もんじゅ」は、年間の大半をメンテナンスに費やしてきた。もんじゅの点検期間長期化の要因を明らかにし、次世代高速炉の合理的な保全を実現することは重要である。本研究では、低温停止中のもんじゅの点検長期化の要因について、もんじゅのプラント工程を基に分析した。また抽出された課題から、保全の合理化の観点を提案した。
明午 伸一郎; 大井 元貴; 藤森 寛*
Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 23(6), p.062802_1 - 062802_24, 2020/06
被引用回数:3 パーセンタイル:35.72(Physics, Nuclear)加速器駆動の核変換システム(ADS)や核破砕中性子源に用いられる陽子加速器のビーム出力増強につれ、ビーム窓や標的の損傷は深刻な問題となり、損傷緩和のためにビーム電流密度の均一化が重要となる。密度均一化のため比較的よく用いられるラスター磁石には、故障時のビーム集束の重大な問題がある。一方、非線形光学を用いたビーム平坦化にはビーム拡大の問題があることが指摘され、これまで非線形効果導入の八極磁石におけるビームの角度の広がりを無視したフィラメント近似模型による検討が行われた。フィラメント近似模型では、非線形収斂作用を適切に評価できないため、本研究では一般化した非線形モデルの適用により非線形ビーム光学における収斂および発散作用を詳細に検討した。正規化した八極強度と位相進行におけるの2つのパラメータ導入により、非線形効果を特定な条件によらず一般化できることを明確にした。ビームのピーク密度低減と損失最小化という拮抗する問題の解決には、 1および 3とすることにより解決できることが判明した。J-PARCの陽子ビーム輸送系(3NBT)に本検討結果を適用し、核破砕中性子源の水銀標的入口のビーム形状の比較検討した結果、モデル計算によるビーム分布は実験データとよい一致を示し、線形光学においてピーク電流密度を約50%にできることを示した。
真辺 健太郎; 小山 修司*
Radiation Protection Dosimetry, 189(4), p.489 - 496, 2020/05
被引用回数:1 パーセンタイル:11.8(Environmental Sciences)核医学検査における被ばく線量の最適化において正確な内部被ばく線量評価が求められる場合は、個人の特性を考慮することが必要である。そこで、本研究では、個人の臓器質量を反映した吸収線量評価を簡易的に実施するため、基準となる人体モデルに基づく吸収線量を個人の臓器質量によりスケーリングする手法を提案し、その実効性をTcコロイドの静注投与及びI標識ヨウ化ナトリウムの経口投与に対する線量評価で検証した。Tc又はIがよく集積する組織・臓器の吸収線量について本手法による評価値と詳細な解析に基づく評価値を比較したところ、赤色骨髄のように体内に広く分布する組織・臓器では誤差が大きかったものの、肝臓や脾臓、甲状腺のような実質臓器については精度よく評価できることが確認でき、本手法の実効性が示された。
篠原 主勲; 奥田 洋司*; 中島 憲宏; 井田 真人
日本機械学会第18回計算力学講演会講演論文集, p.561 - 562, 2005/11
原子力配管の熱伝対の応力集中を低減する最適な形状を検討するため、随伴変数法による形状最適化システムの基盤技術を開発した。状態方程式,随伴方程式,感度方程式,ラプラス方程式からなる随伴変数法を定式化し、記憶メモリを低減,配列のアクセスを高速化するためHPCMWによるファイル渡しによるデータ入出力,1次元圧縮行列のプログラミング技術を適用し、形状最適化プログラムを開発した。3次元円柱周りの形状最適化のメカニズムを明らかにし、円柱の体積一定の制約条件下で円柱に負荷する表面力を初期形状と比較して約24%低減した。
篠原 主勲; 奥田 洋司*; 伊東 聰*; 中島 憲宏; 井田 真人
計算工学講演会論文集, 10(2), p.629 - 632, 2005/05
体積一定の制約条件下で圧力抵抗が最低となる最適な形状を構築するため、随伴変数法を定式化し、最急降下法を用いてArmijoの基準に基づく直線探索法の並列化アルゴリズムを構築した。またITBLというグリッド・コンピューティング環境で並列分散処理機能を用いて、効率的に演算処理する方式を提案した。構造の特性,信頼性,コスト性が複雑に絡み合う評価関数,制約条件からなる高負荷の計算が要求されるラグランジュ関数の極値の探索方法を構築した。極値探索で生じる膨大な計算量を、不特定多数のスーパーコンピュータを用いて、ホスト間のデータ通信を削減し、最適な形状更新ベクトルの探索を並列分散処理することで、実時間の計算処理を可能とした。
石神 努; 小林 健介; 梅本 通孝; 松永 武
Reliability Engineering & System Safety, 86(1), p.61 - 74, 2004/10
被引用回数:3 パーセンタイル:12.11(Engineering, Industrial)原子力緊急時計画においては早期防護対策の意志決定の指標として予測線量に基づく介入レベルを用いることが多いが、予測線量では対策による便益と不利益のどちらも考慮することができない。国際原子力機関(IAEA)は、対策の正当化と最適化の概念を取り入れた回避線量に基づく介入レベルを提案している。この回避線量に基づく介入レベルを適用し緊急時計画に有用な情報を作成するために、正当化及び最適化の概念に基づく防護対策最適化システム(OPTシステム)を開発した。OPTシステムは、事故時の環境へのFP放出量(ソースターム),線量分布,施設周辺の人口分布等を入力として、防護対策の候補と与えられる屋内退避,コンクリート屋内退避、及び避難等の中から行政区ごとにとるべき最適な対策を同定するものである。OPTシステムを用いて、モデルサイトの幾つかの行政区を対象にソースターム,気象条件,対策発動時期等を変化させた種々の状況を想定した解析を行った。解析により、状況に応じた最適な防護対策を同定するとともに、これらの因子が対策の効果に及ぼす影響を明らかにした。OPTシステムは詳細な計算モデルを用いており、長時間の計算を要するため、サイト全域を対象に多くの対策シナリオを想定した解析を行うことは困難である。そこで、最適な防護対策を迅速に同定する解析手法を開発した。この手法は、多変量解析手法に基づいており、OPTシステムによる解析結果をサンプルデータとして用いる。この手法をモデルサイトに適用しソースタームや気象条件等に応じた最適な防護対策の実施地域と内容を同定した。
永井 良治; 羽島 良一; 沢村 勝; 菊澤 信宏; 西森 信行; 西谷 智博; 峰原 英介
Proceedings of 1st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan and 29th Linear Accelerator Meeting in Japan, p.420 - 422, 2004/08
原研ERLの入射部でバンチされた電子ビームは周回軌道と合流後、主加速器へ入射されるので、ビーム軸方向の振る舞いが非常に複雑である。このような条件でのパラメータの最適化にはニュートン法のような確定的手法では解が初期値に依存してしまうので不適当である。そこで、シミュレーテッドアニーリングを用いてパラメータ探索を行い、そのパラメータについての計算をParmelaで行うことでパラメータの最適化を行った。
渡辺 昇; 原田 正英; 甲斐 哲也; 勅使河原 誠; 池田 裕二郎
Journal of Neutron Research, 11(1-2), p.13 - 23, 2003/03
現在考え得る最も効率の高い高性能モデレータは、大出力核破砕中性子源にあっては超臨界水素減速材を用いることにより達成されている。しかしその性能は水素のオルソ・パラ比,モデレータの寸法,反射体の材料,形状・寸法,その冷却水等のパラメータと複雑にかかわり、その最適化は非常にむづかしい。そのほかに、時間的に鋭いパルス特性を最小限の中性子強度の犠牲で得るためには、さらなる工夫が必要となる。筆者等は最近水素のオルソ・パラ比とモデレータ寸法を微妙に調節することにより、これまでに実現できなかったパルス特性(高いピーク中性子強度と鋭いパルス)を得ることに、コンピュータシミュレーションで成功した。そのことを主な話題として、種々関連するほかの重要なパラメータの最適化,そのようにして得られるパルス中性子をより効率よく中性子散乱研究に利用するための方法についても述べる。